2008-01-01から1年間の記事一覧

水たまりの虹―熊澤尚人『虹の女神』における語り手としてのカメラ

虹の女神 Rainbow Song [DVD]出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント発売日: 2007/04/27メディア: DVD クリック: 93回この商品を含むブログ (138件) を見る 映画『虹の女神』は、2006年に制作された、熊澤尚人監督の作品。元は2005年に桜井亜…

長回しと「終わりなき日常」―廣木隆一『やわらかい生活』

やわらかい生活 スペシャル・エディション [DVD]出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ発売日: 2007/01/26メディア: DVD クリック: 34回この商品を含むブログ (95件) を見る 映画『やわらかい生活』(2006年、監督廣木隆一、原作絲山秋子『イッツ・オン…

ウォーク・オン・ザ・ワイルド・サイド―「歩く」ミュージックビデオ集

なんだか渋谷陽一化しているような気がするのだけど、このエントリでは、ビジュアル系VSアイデア系―PV制作出身映画監督たちのミュージックビデオ集を作る間に拾った、「歩くこと」をテーマにしたミュージックビデオを紹介してみたいと思う。 The Verve「Bitt…

分身・変形・透明化―ミッシェル・ゴンドリー制作のミュージックビデオ集

アート系VSアイデア系―PV制作出身映画監督たちのミュージックビデオ集の流れで、ミッシェル・ゴンドリーが制作したPVをチェックしていたら、どれもこれも面白く粒ぞろいだったので、いくつか紹介しておきたい。参考にしたのは、ミッシェル・ゴンドリー@Wiki…

アート系VSアイデア系―PV制作出身映画監督たちのミュージックビデオ集

岩井俊二制作のミュージックビデオ集というエントリを作った後で、PV制作出身の映画監督が多くいることを思い出し、改めて彼らが制作したPVを探してみた。(参考にしたのは、●●プロモーション・ビデオ●●@2ch・洋楽板)。 The Rolling Stones「Love is Stron…

ジャスコフィクション―映画における地方の郊外化と若者:『リリイ・シュシュのすべて』『下妻物語』

ファスト風土化する日本―郊外化とその病理 (新書y)作者: 三浦展出版社/メーカー: 洋泉社発売日: 2004/09メディア: 新書購入: 19人 クリック: 330回この商品を含むブログ (124件) を見る 三浦展『ファスト風土化する日本―郊外化とその病理』(洋泉社文庫、200…

映画だから成立する―岩井俊二=シネフィル論:『Love Letter』『四月物語』

岩井俊二制作のミュージックビデオ集というエントリを上げておいて、岩井俊二論がblog内にまったくないのも変なので、作品に触れつつ、現時点での見解を少しだけ。 Love Letter [DVD]出版社/メーカー: キングレコード発売日: 2001/03/07メディア: DVD購入: 1…

岩井俊二制作のミュージックビデオ集

映画監督岩井俊二は、90年代前半、数多くのPV(プロモーション・ビデオ/ミュージック・ビデオ)制作を手がけている。 岩井が手がけたPVを見ていると、映像的なセンスや映画的趣向など、後の岩井の映画制作に通じるセンスをかいま見ることができて、なかなか…

仙台フォーラム:没15周年記念F・フェリーニ特集上映

道 [DVD]出版社/メーカー: アイ・ヴィ・シー発売日: 2002/04/25メディア: DVD クリック: 93回この商品を含むブログ (134件) を見る 崖 [DVD]出版社/メーカー: パイオニアLDC発売日: 2000/02/25メディア: DVD クリック: 6回この商品を含むブログ (10件) を見…

しがみつくココロ―安藤尋『ココロとカラダ』

ココロとカラダ【ラブコレクションシリーズ】 [DVD]出版社/メーカー: カルチュア・パブリッシャーズ発売日: 2005/02/16メディア: DVD クリック: 22回この商品を含むブログ (11件) を見る 『ココロとカラダ』は、2004年に公開された安藤尋の作品。詳細は、『…

電信柱からの眺め―堤幸彦『恋愛寫眞』

恋愛寫眞 [DVD]出版社/メーカー: 松竹ホームビデオ発売日: 2007/01/27メディア: DVD購入: 1人 クリック: 42回この商品を含むブログ (9件) を見る 『恋愛寫眞 Collage of our Life』は、2003年に公開された堤幸彦監督の作品。 ◆魅力的なヒロイン―自由を象徴す…

間違いだらけの告白タイム―森田芳光『間宮兄弟』

間宮兄弟(通常版) [DVD]出版社/メーカー: 角川映画発売日: 2006/10/20メディア: DVD購入: 1人 クリック: 32回この商品を含むブログ (128件) を見る 『間宮兄弟』は、2006年に公開された森田芳光監督の作品で、原作は江國香織。 ◆もてない理由 間宮兄弟という…

映画鑑賞week

映画のゼミを立ち上げたいという野望もあり、しばらくできるだけ映画の話を取り上げたいと思います。手持ちの映画ジャンルと映画を論じる視点とを少しずつ共有していければいいな、と思うんですけど、どこまでできるかはよくわからないですね。 もう一つ、夏…

マッシュアップ動画セレクション Vol.2

定期的にニコニコ動画でマッシュアップ動画をチェックしていて、たまに気に入った動画をまとめて紹介しています。一回目はこちら。 【Mad】カール・ハイドに「水戸黄門」を歌わせてみた【マッシュアップ】 「あのアンダーワールドのvoのカールがまさか…」と…

ポニョ

『崖の上のポニョ』、山形駅ビルのシネコン「ソラリス」で見てきました。 いやー、やっぱり宮崎駿はすげーぜ。この人は絶対頭がおかしい。冒頭からいままで見たことのないイメージを見せてくれるし、圧倒されて、鳥肌が立つんですよね。 あまりにすごすぎる…

師走

さてはて、7月31日/木曜日は多忙のプチピークで、集中講義の聴講、修論中間発表会の聴講、書類提の提出、レポートの提出、ゼミの打ち上げと、一日中文字通り走り回っていました。 それで、深夜まで話をしていたので、金曜日は夕方起きで、土曜日はレンタルD…

映画のゼミ

映画のゼミを作りたいなあ、と考えています。 本格的な研究発表の場ではなくて、A4用紙一枚の発表資料で、発表時間は10〜15分程度。基本的には、5〜6人くらいで集まって、一本の映画について、一時間から一時間半くらいお喋りができればいいな、という感じで…

国語の魅力

試験の集団面接で「国語という教科の魅力を一言で言ってください」という質問があり、とても楽しかったですんですよね。なので、今日はその話を。 いちばん感心した答えは、「物語」でした。ああ、この子は本を読むのが本当に好きなんだな、というのが感じら…

学会

実家から大学に戻る丁度中間地点にある町の大学で学会があったので、聴講してきました。 大学に行くまでの間に暑さにやられて疲れてしまって、発表ははっきり言って全然聞いてなかったんですけど、とても楽しかったです。←どの口で言う? 詳細はいろいろ支障…

面接

面接を受けてきました。 受ける前はすごく嫌だったんですけど、とても楽しかったですね。集団面接だったんですけど、みんな若いのにしっかりしてるんですよね〜。感心してしまいましたよ。 ぼくはものを書くのはある程度自信があるのですが、喋るのは基本下…

休日

ケータイから更新します。 今日は一日ずっと眠ってましたね。ご飯を食べてまた寝てっていう感じで、十六時間眠りました。時間の無駄という気もするけれど、疲れを取るとかいった意味もあるんでしょう。 なんか大学にいるとやたらと忙しくですね。ネットに注…

映画『blue』におけるバスの主題

blue [DVD]出版社/メーカー: ケイエスエス発売日: 2003/09/26メディア: DVD購入: 2人 クリック: 126回この商品を含むブログ (159件) を見る 映画『blue』は、安藤尋監督の長編映画作品であり、2001年、新潟市で製作された。原作は魚喃キリコのコミック『blue…

試験

試験は古文と漢文が思っていたよりもできなかったですね。やっぱりブランクがありますからね。まあ、一次で落ちるでしょう。来年はきちんと準備していきます。 面接はあさってで、一応受けようと思ってますけどね。 で、いまネットカフェなんですけど、一応…

帰省

明日から週末まで帰省します。 試験を受けてくるんですけど、準備はほとんどしていないので、まあ今回は様子見ですね。と余裕を装いつつ、だんだんお腹が痛くなってきたんですが……。 まあ、とりあえず、行ってきます。 では。

青春の最後の輝き―『冒険者たち』とネット上の勇者たち

北野武『キッズ・リターン』予告編(1996) 北野武『キッズ・リターン』(1996)のラストシーンで、高校卒業後の数年間で追った夢が潰えてしまった主人公の若者ふたりが、母校の高校の校庭を自転車でぐるぐる回りながら、「俺たちもう終わっちゃったのかな?…

基礎ゼミ

うーん、教員採用試験の準備と、あと、チューターとして、かなり長時間、研究生の子の相談に乗っているので、それで一日が過ぎていく感じですね。 あと、基礎ゼミでレポートを書かなきゃならないんですけど、これは教員免許を取るために必要な単位なので、優…

近況その他

忙しい日々はとりあえず先週で一段落して、週末で英気も養ったので、さて、次は何をしようか、と思っているところなのだけど、結局、自分のことよりも他人のことで忙しくしている感じ。まあ、チューターは給与が入るわけだから、一応、「仕事」なのだけど。 …

眠れない夜と尾形亀之助

――眠れない。 眠れない夜は、尾形亀之助を読むに限る。 眼が見えない ま夜中よ このま暗な部屋に眼をさましてゐて 蒲団の中で動かしてゐる足が私の何なのかがわからない 布団の中で感じる足の異物感は、あれはいったいなんなのだろうか? 足に疲労が溜まって…

集英社文庫「ナツイチ」

期間限定といふことである。 此夏のマストアヰテム也。是非とも揃へたゐと思ふ。 汚れつちまつた悲しみに…… 中原中也詩集 (集英社文庫)作者: 中原中也出版社/メーカー: 集英社発売日: 1991/01/18メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 62回この商品を含むブログ…

中原中也のなんだかやけくそな詩

中原中也は、「月夜のボタン」などリリカルな詩で知られているし、教科書に掲載されている顔写真もカッコいいということで、女子人気が高い詩人だと思うのだけど、実際には、めちゃくちゃな性格で、文学仲間に対しては口に泡を飛ばして相手を攻撃するような…