国語の魅力



 試験の集団面接で「国語という教科の魅力を一言で言ってください」という質問があり、とても楽しかったですんですよね。なので、今日はその話を。
 いちばん感心した答えは、「物語」でした。ああ、この子は本を読むのが本当に好きなんだな、というのが感じられた。でも、国語は論説文もあるから、必ずしも国語という教科の全領域を覆う答えではないですよね。
 他の答えには「イメージ」「映像」が上がったんですけど、ぼくはそれはちょっと焦点のぼけた答えのように思いました。
 で、ぼくはどう答えたかというと、「人間」と答えたんです。小説にせよ、詩にせよ、論説文における社会のありようにせよ、古文や漢文にせよ、そこには必ず人間がかかわっているわけで、それは自然を題材とした科学的エッセイでも、そうした自然に注目する人間の科学的な目のおもしろさがあるわけじゃないですか。戦争や社会問題など社会の愚かしさについての論説文も「人間」に関わっている。なので、これは広い領域を覆う答えだと思うんですよね。
 でも、あとで考えてみれば、それを言ってしまえば、これは他の教科にも言えるかな、という気もしたんです。であれば、最も適切だった答えは、「言葉」かなあ、といまは思います。「言葉」であれば、小説や論説文はもちろん、故事成語やことわざ、四文字熟語、それに漢字の勉強のような単純な暗記の勉強までカバーできる。
 まあ、「人間」も間違いではないですけどね。なにしろ「言葉」を使うのは人間だけなわけですから。
 でも、「言葉」でも、そうなると、「国語」のうち「語」はカバーしているけれど、「国」の方はどうなるんだって気になってきますよね。とはいえ、そこまでカバーするとなると、結局、「日本語」とか、同語反復に近いものになってくるので、まあ、この辺りなのかな、と思います。
 試験官の方も言っていたように、もとより正解のある質問ではないんですけどね。
 考え甲斐のある質問だと思うので、もう少し考えてみます。