文学

11月13日から20日の文学系学会情報まとめ(付:多和田葉子イベント情報)

11月中旬から下旬の文学系の学会があまりにも多いので、簡単にまとめておきます。 昭和文学会2010年春季大会「SFと現代文学」 法政大学市ヶ谷キャンパス、11月13日 詳細:http://p.tl/xGfb 高橋源一郎の講演「次の千年の文学」など。 国際シンポジウム「越境…

ツイートする文学――ツイッターを利用したインタラクティブ・コンテンツ

ツイッターを利用した小説・映画等の作品・企画などを紹介。 ツイッタードラマ「素直になれなくて」なんてのもあったけれど、内容面でツイッターを題材とするだけではなく、ツイッターを利用したインタラクティブな読者参加型のドラマ・映画・文学などのコン…

細見和之氏講演会「イングランドの批評性−オーウェル、ディケンズ、ピンク・フロイド−」メモ

細見和之氏講演会「イングランドの批評性−オーウェル、ディケンズ、ピンク・フロイド−」(5月12日水曜日15-17時、東北大学川内北キャンバスマルチメディア教育研究棟6F大会議室)http://p.tl/gwgk のメモです。 ◆話の枕 今回のテーマを選んだのは、今いちば…

5-6月開催の文学学会全国大会情報まとめ

5-6月に予定されている大きな文学系学会を時系列順でまとめておきます。 小さなものまで含めた、より多くの学会情報については、笠間書院blogの学会情報で。http://bit.ly/bE3xtm 1・日本キリスト教文学会2010年度第39回全国大会 会場:桜美林大学、日程:5…

3-4月刊行の日本近代文学研究単行本一覧

文学言語の探究―記述行為論序説作者: 石川則夫出版社/メーカー: 笠間書院発売日: 2010/03メディア: 単行本 クリック: 5回この商品を含むブログ (1件) を見る 言語哲学論、小林秀雄論、川端康成論の三部構成です。 中原中也と詩の近代作者: 加藤邦彦出版社/メ…

週末の学会情報

今週末は、各地で注目度の高い学会・シンポジウムが開催されるので、このblogでも紹介しておきます。 このblogで紹介する学会以外にも、「満洲国」文学研究会、富山文学の会、日本語コーパス、平家物語講演会、愛知県犬山市ブックフェス等、注目度の高い国文…

百年「と」不良少女−女の子が夜になっても遊び続ける方法−

百年「と」不良少女 −女の子が夜になっても遊び続ける方法− 『明治 大正 昭和 不良少女伝 莫連女と少女ギャング団』刊行記念イベント 日時:2月20日20時〜 場所:吉祥寺・古書「百年」 ライブ:2525稼業 トーク:平山亜佐子(『不良少女伝』著者)×木村カナ…

共振するアジア−現代東アジアの文学交流−

シンポジウム「共振するアジア−現代東アジアの文学交流−」 日時:2月20日13時〜17時30分 場所:山形大学小白川キャンバス 人文学部1号館4F 第一会議室 ◆森岡卓司「日本を語る日本語の地政学」 米で出版→話題となった〈在日〉二世作家伊集院静の松井秀喜評伝…

自動生成スクリプトは羊男の夢を見るか?

星野しずるの犬猿短歌 twitterで知った「犬猿短歌」。自動生成スクリプトで「二物衝撃による詩的飛躍のある短歌」*1を作り出す。ページを更新する度に新たな短歌が作られる、というのだけど、 ささくれが見たい 季節を見てみたい 残りわずかの赤い曲線 (星…

大江健三郎×岡田利規公開対談

わたしたちに許された特別な時間の終わり作者: 岡田利規出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/02/24メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 61回この商品を含むブログ (103件) を見る 大江健三郎×岡田利規公開対談の動画がアップされていたので、紹介しておき…

日本近代文学作家動画集

「雑記帳 動く内田百けん 8ミリ映像が岡山で公開」という記事によると、1964年の会合における百けんを映した2分半の映像が残っており、岡山市のデジタルミュージアムで公開中とのこと。この記事に触発されて、日本の作家たちの動画を探してみたんですけど、…

多和田葉子動画

エクソフォニー-母語の外へ出る旅-作者: 多和田葉子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2003/08/21メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 32回この商品を含むブログ (62件) を見る 3月に、現代文学の読書会があったのだけど、このとき読んだ多和田葉子がとても…

わかりあえないことをわかりあう―1990年におけるコミュニケーションの断念と出立

フリッパーズ・ギター「全ての言葉はさよなら」 フリッパーズ・ギター「全ての言葉はさよなら」は、2ndアルバム『カメラ・トーク』(1990)収録。いま振り返ってみれば、この曲の「わかりあえやしないってことだけをわかりあうのさ」というフレーズは、80年…

東浩紀×北田暁大『東京から考える 格差・郊外・ナショナリズム』

東京から考える 格差・郊外・ナショナリズム (NHKブックス)作者: 東浩紀,北田暁大出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2007/01/27メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 14人 クリック: 130回この商品を含むブログ (253件) を見る 映画における地方の郊外化と…

国語の魅力

試験の集団面接で「国語という教科の魅力を一言で言ってください」という質問があり、とても楽しかったですんですよね。なので、今日はその話を。 いちばん感心した答えは、「物語」でした。ああ、この子は本を読むのが本当に好きなんだな、というのが感じら…

眠れない夜と尾形亀之助

――眠れない。 眠れない夜は、尾形亀之助を読むに限る。 眼が見えない ま夜中よ このま暗な部屋に眼をさましてゐて 蒲団の中で動かしてゐる足が私の何なのかがわからない 布団の中で感じる足の異物感は、あれはいったいなんなのだろうか? 足に疲労が溜まって…

中原中也のなんだかやけくそな詩

中原中也は、「月夜のボタン」などリリカルな詩で知られているし、教科書に掲載されている顔写真もカッコいいということで、女子人気が高い詩人だと思うのだけど、実際には、めちゃくちゃな性格で、文学仲間に対しては口に泡を飛ばして相手を攻撃するような…

大阪府立国際児童文学館存続のための署名運動・その5

本来、もっと早く更新しなければならないところだったのですが、まずは更新が遅れたことをお詫び致します。大阪府立国際児童文学館存続のための署名運動(その2・その3・その4)の続報です。 4月18日付け日記@宮本大人のミヤモメモで、大阪府立国際児童…

大阪府立国際児童文学館存続のための署名運動・その4

大阪府立国際児童文学館存続のための署名運動(その2・その3)の続報です。 日本マンガ学会から大阪府立国際児童文学館の存続を求める要望書(@宮本大人のミヤモメモ)が出ています。 児童文学書評では、第二次の存続要望署名運動が始まっています(締め…

大阪府立国際児童文学館存続のための署名運動・その3

以下の記事について、コメント欄で、大阪府と大阪市は別物で、執筆者は両者を混同しているという指摘がありました。コメント欄の返信や、4月20日付けのエントリで記しているように、これは完全にぼくのボーンヘッドで、エントリを書く際に両者の区別はまった…

大阪府立国際児童文学館存続のための署名運動・その2

引き続き、大阪府立国際児童文学館存続のための署名運動(http://d.hatena.ne.jp/helpline/20080402/p1)について。 大阪府立国際児童文学館存続のお願い!@のりみ通信(http://norimi.blog45.fc2.com/blog-entry-261.html)に「この問題に言及しているブロ…

大阪府立国際児童文学館存続のための署名運動

『のらくろ二等兵』「教練の巻/演習の巻」(1933) いま、大阪府立国際児童文学館(http://www.iiclo.or.jp/)が存続の危機にあります。 新たに大阪府知事に就任した橋下徹府知事は、府立の83施設について「図書館以外不要」として81施設の見直しを宣言し、3…

川上未映子&桜庭一樹動画

トラカレ!で川上未映子のインタビュー動画が紹介されていて、えーっ! ってコトは桜庭一樹の動画もあるだろ?ってコトで検索したら、やっぱりあったので、川上&桜庭、両方貼っておきます。 川上未映子 第138回芥川賞インタビュー 桜庭一樹 第138回直木賞イ…

学会情報:「スポーツする文学」第三回公開ワークショップ

近代文学関係の学会情報をアップしておきます。この学会については、すでにWeb上でもいろんなところに情報が上がっているし、開催地が京都なのでぼくはとても行けないのですが、面白そうですよね。 この学会に携わっている日比嘉高さんや疋田雅昭さんは日本…

第138回芥川賞・直木賞決定

取り急ぎ、速報だけ。 やはり、芥川賞は川上未映子「乳と卵」、直木賞は桜庭一樹「私の男」が受賞しましたね。当blogでも先日このように予測を立てたのですが、まあ大方の予想通りといっていい結果なのではないかと思います。ともに実力のある作家ですし、と…

第138回芥川賞・直木賞候補作

16日、第138回芥川賞・直木賞の選考会が行われます。 候補作を確認しておきましょう。 〈芥川賞〉 川上未映子「乳と卵」(「文学界」12月号) 田中慎弥「切れた鎖」(「新潮」12月号) 津村記久子「カソウスキの行方」(「群像」9月号) 中山智幸「空で歌う…

文芸批評家・福嶋亮大について

一ヶ月ほど前、ある方に「最近、面白い書き手はいませんか?」と聞かれたとき、福嶋亮大の名前を出してそれきりになっていたのですが、いま調べてみたところ、今年3月からblog「仮想算術の世界」(http://blog.goo.ne.jp/f-ryota/)を始めているようなので、…

BROTHER軒―太宰治「惜別」&高田渡「ブラザー軒」

学会の懇親会で某大学の近代文学の先生から、文学関係の話題をいろいろ仕入れることができたので、今回はその中からBROTHER軒という洋食店についての話を紹介したいと思う。 仙台市の一番町、アーケード街の一角に「BROTHER軒」という洋食屋があるのだけど(…

テンプレとしての村上春樹

風の歌を聴け (1979年)作者: 村上春樹出版社/メーカー: 講談社発売日: 1979/07メディア: ?この商品を含むブログ (2件) を見る 最近、blogを更新してないのは、いま多忙のピークで、なにかと準備で追われているためです。 実はいまだに終わっていないのですが…

島本理生『大きな熊が来る前に、おやすみ。』

大きな熊が来る前に、おやすみ。作者: 島本理生出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/03メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 24回この商品を含むブログ (138件) を見る 島本理生『大きな熊が来る前に、おやすみ。』(新潮社刊、2007年3月)の表題作が、ユヤ…