動画で学ぶ映画史(4・5)―インターミッション



 「動画で学ぶ映画史」は、映画史の本を読んでいる後輩に、映像を説明した文章について、「これはどんな映像なのか?」と質問されたことをきっかけに始めた企画です。
 字の説明だけではなかなか理解できなかったり、頭に入らなかったりするし、実際に見てみれば一瞬でわかることなわけだから、映像を見せてもらいながらレクチャーを受けられれば、それがいちばんいいに決まっている。けれど、映像を見せながら映画の誕生から展開の過程を説明してくれるような、映画史の初歩的な知識が学べる講義が開講されている大学は少ないし、この大学でも行われてないんですよね。


 ぼくは学部時代は別の大学で、そこでは映画史の講義が行われていたから、映画史の初歩的な知識はもっているし、講義ノートも保存している。また、映像をDVDやビデオなどで揃えるのは難しいけれど、いまはYOU TUBEで手軽に見ることができるのだから、blogで動画を貼りながら説明していくエントリをアップする、という形で映画史の講義に代えることはできる。知識と手段が揃っているわけで、まあやれるんだからやろう、ということですね。
 他のblogでこういう記事があるんだったらそれを紹介するんですけど、ない(見つからない)んですよね……。だったら、自分でやるしかないか、と。この種のエントリは、後輩だけではなくて、意外と多くの読者が勉強になったと言ってくれたりしますし、何よりぼく自身勉強になるし、楽しいですからね。


 エントリは、約十年前に受けた講義の講義ノートを元に、ネットで調べた情報を補完したり、自分で映像を分析したりしながら作っています。なので、講義内容のプライオリティーが講義を行った先生にあるのですが、ぼくが不肖の弟子だったり、ぼく自身の危なっかしいアイデアが盛り込まれていたりと、逆にご迷惑をお掛けするようにも思うので、名前は記しません。ぼくを知っている方であれば、ぼくが先生といえばこの人のことだ、ということはわかると思いますし、次に会ったときには、報告するつもりです。
 講義で学んだことをどこまで出典を銘記すべきか、というのは難しいところがあります。どこまでが映画史の一般的な知識で、どこからが先生の独自の考えなのかが判断に迷うことがあるんですよね。けれど、これは明らかに先生独自の考え方だということが特にはっきりわかるアイデアもあるので、そういうことを書くときは、出典が先生にあることを銘記したいと思います。


 しかし、YOU TUBEで昔の映画を見たり見返したりしているのが楽しくて仕方がないんですけど、こんな調子では、blogを書く暇がないですね。調べた分・見た分だけあれもこれも紹介したくなるし、講義ノート通りに進めるのも癪なので、ちょっと今後どうするか迷っています。一応、前回までで映画の話法の成立というトピックについては一段落しているので、いったん間を置くかもしれません。