大阪府立国際児童文学館存続のための署名運動・その3




 以下の記事について、コメント欄で、大阪府大阪市は別物で、執筆者は両者を混同しているという指摘がありました。コメント欄の返信や、4月20日付けのエントリで記しているように、これは完全にぼくのボーンヘッドで、エントリを書く際に両者の区別はまったく念頭にありませんでした。したがって、自分の文章に斜線を引いた上で、記事を残しておくという形にしたいと思いますので、その旨、よろしくお願い致します。混乱を招くエントリを挙げてしまったことを、お詫び致します。(2008.4.21)



 引き続き、大阪府立国際児童文学館存続のための署名運動について。


 橋下府知事直撃視察!赤字施設「ビックバン」



 むしろ邪魔 【頑張れ!大阪府立青少年会館 松崎館長】



 今回、橋下府知事が上杉鷹山ばりの節制・倹約政策を掲げている姿を見たとき、2006年4月に放送された、「怒れ国民!!小倉智昭の税金ムダ使い特命調査」(テレビ朝日系列、2006年4月15日 19:00〜20;54)で、大阪府がバブル期に進めたあまりにもバカげた公共事業の数々が紹介されていたことを思い出しました。
 で、以下のblogで番組の内容が紹介されているので、引用・紹介したいと思います。



 「怒れ国民!!小倉智昭の税金ムダ使い特命調査」@たまちゃんのてーげー日記
 http://tamachan.livedoor.biz/archives/50458943.html


 いつもの「大阪市」のお話。いまや赤字は、5兆5千億以上!! 大阪市って、異常。。。
 大阪市民さんもあきれ返っているようですね。「2009年に、大阪市、破産するかも?」という話も出ているようです。大阪のおばちゃんたちが、相変わらず、パワー全開!(笑)


 大阪ドーム。可変天井、故障中。修理部品が無く、永遠にあかない!? 
 ナンダソレ!! 赤字608億円。今までの税金投入86億円?


 無人島の公園造成に57億円。 街中の公園、整備すれば、いいのにねぇ・・・。
 巨大遊具。。。「誇大」(笑)。でも約1億8千万ほど、かかっているって。
 誰もいない公園に。。。 もう駄目だね。この金の使い方。。。


 430億円の無人島。オリンピック招致の為に作った島&施設。話にならんね。
 大阪市の役人って、、、


 美術品を集めておきながら、美術館の計画がストップ中。保管料だけで、毎年大赤字。土地とか買っておきながら、塩漬けか。。。 
 名画19億(1枚)も、保管されっぱなしで、泣いてるねえ。。。 大阪市民も知らなかった、大阪市の絵画購入。大阪市の役人は、全員で、購入費用、負担しろ!!って感じです。高額美術品。言い値で買ってるんだろうなあ。。。


 大阪市民の皆さん、もっと怒った方が良いのでは?(もう、かなり呆れていると思いますが。。。)


 フェスティバルゲート。総工費393億円。累積債務380億円。
 税金投入額200億円か。。。
 本家のHPは、閉鎖中のようです。ジェットコースターは、土日祝のみ営業(笑)。



 この番組では、ますだおかだが「大阪のおばちゃん」たちを引き連れて公共施設を回っていたんですけど、この経験があるので、ますだおかだの増田は、今回の橋下徹府知事の方針を支持していますね。(頑張れ!橋下大阪府知事@ますだおかだの増田Official Site
 Webサイトでは、大阪民国ダメポツアーが、大阪の公共事業のナンセンスな無駄遣いぶりをまとめているんですけど、最もわかりやすい情報としては、大阪民国ダメポ物件一覧(大阪市編))が参考になるかな、と思います。
 「怒れ国民!!小倉智昭の税金ムダ使い特命調査」でも印象的だった「フェスティバルゲート」については、この記事から引用してみたいと思います。




 大阪市浪速区恵美須東。日本最大の労働者の街「あいりん地区」(釜ヶ崎)を目前に控えたアウトロータウン「新世界」の一角に大阪市交通局が所有する空き地があった。今は無き市電の霞町車庫があった場所だ。


 何を思ったのか、大阪市はこの土地を都市型遊園地施設として作り変えた。ビルの中にジェットコースターの線路が走る奇抜な建物だ。往時の新世界界隈に存在した幻の遊園地「ルナパーク」の再来を思わせる、新たな遊園地の登場に、始めは大阪市民も物珍しげに訪れ、賑わいを見せていた。


 1997年7月に開業した「フェスティバルゲート」は、大阪市交通局の土地信託事業「霞町用地土地信託事業」として、第三セクター(株)フェスティバルゲートの運営でスタートした。総事業費は393億円。総面積1.4ヘクタール、地上8階、地下1階建ての巨大な建物だ。


 その中には目玉のジェットコースターからお子様向けまで、多彩なアトラクションがすし詰め状態にされ、さらに6階にはゲームセンター、7階にはシネマコンプレックスもあり、また1階から5階部分までが幅広く店舗が入るテナントスペースを用意。さらにフェスティバルゲートの隣には、同時期に開業した「スパワールド 世界の大温泉」が鎮座する。宿泊施設も備えた豪華な温泉施設だが、こちらは民間会社(株)阪神住建の運営で現在も順調に経営している。


 しかしフェスティバルゲートの調子が良かったのも最初の年だけだった。初年度(1997年)の入場者数655万人に対し、4年後(2001年)には半数近くの350万人台まで落ち込んでいた。


 普通ならばあらゆる手段を使って来客を戻そうと努力するのだが、そこでやはり第三セクターという形態独特の経営判断の甘さが現れている。まずテナントの利用料が高すぎたため、次々と店舗が撤退していく。店が潰れると客も来なくなる負の連鎖現象だ。だが具体的な対策は何一つ講じてこなかった。


 集客施設としても中途半端で、遊園地なのかテナントビルなのか立ち位置がどっちつかずで魅力に乏しく、来客にはすぐに飽きられる傾向にあった。そして何より悪い要因が「ドヤ街に遊園地」という立地条件である。


 さらには異常な程の警備員の配置。場所柄、どうしてもホームレスや労務者など「西成のオッサン」が居付いてしまわないように、過剰な警備費負担になったとも言われている。


 2004年2月には、信託銀行3行からの事業撤退を受け、管理会社である三セクは倒産。負債380億円のうち200億円を、結局は大阪市が負担することになった。わずか6年半で、それだけ巨額の借金を作ったというのも凄い。


 結局民間に8億程度で売却されることに



 ちなみに、昨日見ていた「情報ライブミヤネ屋」によれば、大阪府が一年間に自由に遣える額が2000億くらいで、橋下府知事はそのうち1000億を削減すると言っている、ということでしたね。一施設が年間予算の10分の1に当たる経済的な負担を出したというのだから、いかにバカげているかわかります。
 フェスティバルゲートの動画をふたつ、在りし日のフェスティバルゲートと、廃墟化寸前のフェスティバルゲートの動画を貼っておきます。


 フェスティバルゲート



 フェスティバルゲート

 ここのコンセプトは『海底に沈んだ謎の古代文明の遺跡』だそうですけど、現実に遺跡化 というか廃墟化しています。日々立ち入り禁止区域が拡大しています。ご興味ある方全面的に封鎖される前にお早めにどうぞ。(投稿者コメント)


 さて、このエントリで何が言いたいかというと、こういうバカげた計画で抱えた借金のツケが、なぜ大阪府立国際児童文学館のような文化的な価値が高い、文化施設に回ってくるのか、ということです。
 国際児童文学館の会館は1984年。フェスティバルゲートの事業が開始された経緯は、「元々、この場所は大阪市交通局の市電天王寺車庫(霞町車庫)であった。1989年「交通局霞町車庫跡地開発プロジェクト」競争入札によって、東洋信託銀行中央信託銀行三井信託銀行による共同事業案が採用され、総工費300億円の一大プロジェクトとして建設が開始される」(Wiki)というバブル期に計画されたものだったわけで、計画後すぐにバブルは弾けたのだから、計画を中止すればよかったんですよね。
 で、今回の橋本府知事の経費節減・合理化政策は、バブル期の無駄な公共事業を批判するものであるようでいて、常に行政の念頭にあるのが「お金のコト」である点では、実は変わらないんじゃないかな、と思うんですよね。
 むろん無駄な公共事業はどんどん廃止すればいいんですけど、では、文化施設は、経費削減の時代に真っ先に切り捨てられなければならない「無駄なもの」なのかというと、絶対にそんなことはないわけで。橋下府知事には、本当に考えて直してほしいと思います。