『千と千尋の神隠し』に細かくツッコミを入れてみた
- 出版社/メーカー: ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
- 発売日: 2002/07/19
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『千と千尋の神隠し』、見直してるといろいろ細かいところで発見があるので、メモしておくことにします。
今日も一日ほぼ寝込んでたんですけど、五〜六時間がんばったら、だいたい目鼻が付いてきたんで、まあ大丈夫ですよ。
◆千尋に「働かせてください!」と頼み込まれたときの湯婆婆の心の叫び
ぐーずーで、甘ったれで、泣ーき虫で、頭の悪ーい、小娘に仕事なんかあるもんかねっ!
これ以上穀潰しを増やして、いったいどうしようっていうんだい?
なんだかとても耳の痛い台詞w 湯屋=ジブリ説を考えると、宮崎の心の叫びでもあるのか。面接官ってみんなこんな心境なんでしょうか。
穀潰しが増えていく場所といえば、大学院以上の場所はないと思うんですがw
◆ハクが千尋を豚舎へ連れて行くシーン
この場面は笑うところがたくさんある。ツッコミ役や笑い声がないので、「ここ笑うとこだ」って気づきにくいんだけど、よくよく見てみるととてもおかしい。
まずそもそも「お父さんとお母さんに会わせてあげる」と言っておいて、二匹の豚がいぎたない姿で横たわっている姿を見せて、「お父さんとお母さんだよ」と大まじめな顔でハクが言って、千尋もこれまた大まじめな顔で「お父さん!お母さん!」と豚に呼びかけているんだけど、豚たちは知らん顔で寝ているというギャップがおかしい。いや、キミたち、これはお父さんとお母さんじゃないだろ、どう見てもw
で、次のような会話が交わされる。
千尋「病気かな?怪我してる?」
ハク「いや、おなかがいっぱいで寝てるんだよ」
いや、そうだろうと思ったけどさw
この後、千尋は「お父さん、お母さん、あんまり太っちゃダメだよ。食べられちゃうからね」と言って豚舎を出るわけだけど、白竜になったハクを目撃する直前の場面でも「お父さん、あんまり太ってたらやだなー」と千尋はつぶやいていて、「豚になった両親」は作中で継続的にネタにされている。
◆ハクの女の子の心の掴み方
宮崎アニメにおける恋愛のテクニックといえば、『もののけ姫』でアシタカが「そなたは美しい」の一言と髪飾りのプレゼントでサンの心を射止めた例がすぐに思い浮かぶところで、男は行動力で勝負、テクニックは二の次という感じかなと思っていたのだけど、ハクはけっこう女心をくすぐる言葉をもっているようで、それはちょっと意外な発見だった。
ハクが千尋にお握りを食べさせる場面。「食欲がない。食べたくない」という千尋に、ハクは次のように言う。
ハク「千尋の元気が出るように、まじないをかけて作ったんだ。食べて」
いいよねっ! こんなこと言われたら、女の子はたまんないだろうなっ! って、なんだか女の子目線になってますがw 言葉があることで平凡なお握りが特別なものになる。まあこれができる男の子は、少なくともオタク男子の中にはいないよねw
逆に、カオナシくんは女の子の機嫌の取り方が実に下手クソで、札をあげようとして、「あの、それ、そんなにいらない。ダメよ、ひとつでいいの」と断られ、金をあげようとして、「わたしが欲しいものは、あなたには出せない」と決定的に拒絶されてしまう。
どうしてこれほど差が出るのかというと、ハクは千尋が望むものを知っていて、「千尋は両親に会いたいと思っているだろうな」という予測の元に両親に会わせてあげているわけで、つまりハクとカオナシの差は、情報収集能力の差ということになるのではないかと思うのだけど、どうだろうか。顔だろって? いや、まあ、それもあると思うけど、情報収集能力があれば、もうちょっと勝負できたはずっ、とそこは主張しておきたい。
◆釜爺
釜爺は「愛だよ」が有名だけど、
釜爺「わしの孫だ」
リン「孫ーっ!?」
というやりとりもいいw
湯婆婆とかもいろいろあるけど、とりあえずこの辺りで。