□□□(クチロロ)6thアルバム『everyday is a symphony』



 「00:00:00」


 12月2日発売の□□□(クチロロ*1の6thアルバム『everyday is a symphony』、購入しました。


 現代を生きる人々の日常の風景を切り取るというテーマと、実際に日常の風景から拾った音素材をサンプリング=再構築する手法がマッチしてて、すごくいい仕上がりになってますね。居酒屋、雑踏、電車、深夜のラジオ……。ヒップホップの方法論を拡張して、日常生活の空間からサンプリングした音で音響空間を構築しつつ、ポップでキャッチーで日々の想いの切なさをかき立てるようなポップでキャッチーなメロディーをも併せ持っている楽曲を揃えている。コンセプトアルバムとしてのテーマの批評性とトータルな構成の完成度もすばらしくて、キャッチーな音楽の合間に、実験的だったりお遊び的だったりする楽曲もあり、正統派のヒップホップやフォークなど多彩な楽曲もあり、かなりすごい。
 生活音のサンプリング&再構築の部分ですよね。購入してから二日間ずっと聴き続けてるんですけど、聴きすぎたせいで、生活空間の音が音楽に感じられる現象が発生しています。町や駅の構内を歩いていたりしても、雑踏の音がむちゃくちゃ「音楽」に感じられるんですよね。まさにeveryday is a symphony。


「Re:Re:Re:」



 □□□には、今年からいとうせいこうが加入している*2らしいんですけど、今回の新譜のコンセプトの部分は彼のアイディアによるものみたいですね。□□□自体、1998年結成以来、多様で実験的な音楽性を持つ魅力的なユニットだったようなんですけど、いとうが加入したことで完全にブレイクしましたね。いとうせいこうは、30代にとっては80年代からずっと文化的なアイドルだった人物の一人で、いつの間にかTVの人になっていたけれど、大復活ですね*3いとうせいこうは48才なんですけど、若い連中の中に入っていって混じってる感じの佇まいのかっこいいこと。


 「ヒップホップの初期衝動」





 『everyday is a symphony』、歴史的な名盤だと思うので、ぜひ購入して聴いてみてください!


everyday is a symphony

everyday is a symphony




*1:□□□の表記は、漢字の「口」(くち)やカタカナの「ロ」(ろ)ではなく、四角を3つ書いて「□□□」とのこと。wikiより。

*2:加入の経緯については、、□□□(クチロロ)インタビュー@OPENERSを参照のこと。

*3:天才てれびくんMAX ビットワールド」(2007年4月〜)、教育テレビの枠でめちゃくちゃおもしろいコトやってますけどね。