ナラティヴ・メディア第7回研究会
ナラティヴ・メディア第7回研究会に参加してきました。普段はぼくが所属する周辺で行われている学会について詳報することはないのですが、今回は本人の許可を得たので、blogやtwitterでも紹介します。
ナラティヴ・メディア研究会は、東北大学情報科学研究科メディア記号論研究室を中心とする組織で、2008年2月に開催した第1回ワークショップには、伊藤剛、宮本大人も参加。ぼくも懇親会まで参加したのですが、このときの模様はこのblogでも少しだけ報告してますね。その後も映画や漫画について定期的に回を重ねており、ぼくは部外者ながらほとんど参加しています。
今日の発表は、成田龍太「活動弁士染井三郎―日本の初期映画における受容システムの検討―」。発表内容は、弁士を芸術の域に高めたとして高い評価を受ける活動弁士染井三郎の評価言説が、純映画劇運動をきっかけとして映画体験が質的に変化した1910年代においてどのように変化したかをたどりつつ、駒田好洋(パフォーマー)や徳川夢声(芸術性)とはまた異なる染井の特殊性を確認するというもので、水準の高い発表だったと思います。一時間を超える発表だったのですが、時間を感じることはなくて、染井三郎の活弁の音源も聞けたし、とても楽しかったです。
成田さんの活動弁士の話を聞いていると、戦前の映画体験が現代とはまるで違うものであったことに気づかされますし、「映画」という概念自体にゆさぶりをかけられて、とても刺激的でおもしろいですね。
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