みちのくYOSAKOIまつり



 第12回みちのくYOSAKOIまつり(日程:10月11日、会場:匂当台公園)について。


 THE!!駆波"乱2009『光華万葉』



 偶然、みちのくYOSAKOIまつり開催中の匂当台公園を通りがかかってちょっとだけ見物して、派手派手だわ、わけのわからん世界観だわ、非常に興味深かったので、blogでもtwitterでのリアルタイムのつぶやきをまとめておこうと思うのだけど、なんだかもうすごいのだ。会場周りハッピ着たにーちゃんやねーちゃんが一杯で、舞台では踊る踊る。ハッピの色も赤とか金とか紫とか主体で派手派手だし、絶対のぼりと旗を振ってるし、鉢巻きして鳴子鳴らしてるし、ヤンキー文化としか言いようがないっていう。「よさこい」じゃなくて、「YOSAKOI」なんですよね。
 音楽も民謡とダンスミュージックが入り雑じっていて、ニューミュージック風の音楽に合わせて踊るんですよね。ダンスミュージックの土着化、もしくはディスコ文化と伝統文化の異種混交*1。さらにMCがいて、踊る前や踊りの合間に、「清らかな風がとうとうと流れ、新たな命が生まれる……」とかなんとか煽りの語りが入るんですよ。動画で紹介している「THE!!駆波"乱」(ざっくばらん)でも、踊りの最中に「今感じる喜びを輝きに変えて!」とか煽ってるんですけど、よくそんな恥ずかしい台詞を臆面もなくっていう感じで、ツッコミどころ満載の異空間と化してるんですよね。「絶対変だから!」っていう。


 悪口じゃないんですよ。ただ初めて見たのでびっくりした。ちょっとしたカルチャーショックですね。YOSAKOI@Wikipediaによれば、YOSAKOIは、1992年、北海道大学の学生長谷川岳高知県よさこい祭りと北海道のソーラン節をミックスして創設。北海道のYOSAKOIソーラン祭りが成功を収めたことにより、2000年代を通じて日本全国各地に広まったそう。仙台市のみちのくYOSAKOIまつりは、1998年スタート。つまり、伝統的なお祭りとは切れていて、まったく新しい現代的なイベントなんですね。
 1992年創設というのも納得できるところで、バブルの匂いを感じるなあ、と思ったらやはり。東京で廃れたものが地方に根づいて生き残るっていうパターンですね。1992年ころといえば、まず「ジュリアナ東京」が1991〜94年で、「お立ち台で踊って目立ちたい」っていう*2。90年前後には、「ダンス甲子園」も流行っていて、ぼくが見た限りでも、もう完全に民謡から離れて、ヒップホップやダンスミュージックオンリーで踊る高校生チームもけっこう多くて、彼らの発表の場としてのダンス大会という面もあるみたいでしたね。ヤンキーもいっぱいいたんですけど、一般的な大学生や高校生も多くて、普通の市民イベントなんですよね。


 YOSAKOI社会学的にも文化論的にも面白いものだと思いますね。伝統的な地域共同体が解体されて、郊外人口が増加しているのだけれど、都市/郊外においてもお祭り的なものは求められている。見るだけではなくて、主体的に参加できること。老若男女が参加できて、地域をまとめることができ、地域的な一体感を得られること。こうした条件を満たしたお祭り的なものが、ヤンキー文化を取り込みつつ、都市型イベントとして運営されているというのは、とても興味深いですね。おもしろいです。


 江刺華舞斗2009



 祭姫會



 とわだ・馬花道




*1:連想したのは→だったり。http://www.youtube.com/watch?v=LnHjtLEIdGQ

*2:100人を越える「THE!!駆波"乱」が登場したとき、後ろの方で「うらやましい〜。私も来年大人数で踊りたい〜っ!」って言ってるねーちゃんがいたんですけど、「大人数で踊りたい」という願望もあるみたいですね。それって「目立ちたい」という願望と矛盾しないんだろうか……。大人数で踊る一体感は、パラパラにもありましたね。