自動生成スクリプトは羊男の夢を見るか?
星野しずるの犬猿短歌
twitterで知った「犬猿短歌」。自動生成スクリプトで「二物衝撃による詩的飛躍のある短歌」*1を作り出す。ページを更新する度に新たな短歌が作られる、というのだけど、
ささくれが見たい 季節を見てみたい 残りわずかの赤い曲線 (星野しずる)
あの人の紙飛行機を浴びながらとけた世界をよんでいる星 (星野しずる)
終電に向かう真冬のつまさきは機械じかけの嘘つきの果て (星野しずる)
週末の陰から僕の引力を忘れあなたの日時計だった (星野しずる)
思春期を集めてさめたささくれは中学生の景色の下に (星野しずる)
太陽を食べてけだるい朝焼けはあふれるほどの日時計を経て (星野しずる)
にぎやかなアンモナイトからあふれ出すほんのちょっとの罪をおそれて (星野しずる)
水色のあふれるほどの川として赤血球をおぼえていよう (星野しずる)
影を待ち踊る地層から遠ざかる愛の谷間に引きこまれそう (星野しずる)
蝋燭の中に景色の睡蓮の底では踊るフルートを食う (星野しずる)
サイダーを捨て去ろう 闇 真夜中の恋のどこかでただのたましい (星野しずる)
憂鬱な砂漠の底でとくべつな紳士の日々のどこかで悪夢 (星野しずる)
……といった感じで、無限に、シャープな切れ味のイメージを喚起する短歌が生成されていく。
昔から機械で自動生成される小説というモチーフは小説の中で何度も書かれてきたわけだけど、実際にこうしたものを目の当たりにさせられると、考えさせられます。
人間不在の文学の実現という意味で、モダニストの夢が実現したとも言えると思うのですが、ともかくこのblogでも紹介しておきたいと思います*2。
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