BROTHER軒



 先日、BROTHER軒でご飯を食べてきました。BROTHER軒は、明治36年創業という長い歴史をもつレストランで、仙台市青葉区の一番町にあるお店です。一番町のディズニーストア前は、仙台では待ち合わせ場所としてよく使われている場所なんですけど、ディズニーストアの裏手の方に歩いていくと、すぐにBROTHER軒に着きます。
 このblogでは、「BROTHER軒―太宰治「惜別」&高田渡「ブラザー軒」」という記事*1を書いたことがあるので、BROTHER軒にまつわるエピソードについては記事を参照してください。BROTHER軒は、有名な文学作品やフォークソングで題材となっている、仙台でも有数の文学的なトポスなんですよね。


 で、実際に行ってみたんですけど、ぼくはちょっと肩すかし感を感じて、というのは、明治時代の建物がそのまま残っているわけではないし、創業の時点では洋食店だったはずなんですけど、いまは洋食メニューもあるんですけど、基本的には、中華料理店なんですよね。でも、もちろん料理はおいしくて、ぼくは五目やきそばを食べてきたんですけど、やっぱりとてもおいしかったです。ご一緒した方はエビチリを頼んで、少しだけ食べさせてもらったんですけど、こちらもとてもおいしかったですよ。
 おそらく太宰治の「惜別」や高田渡の「ブラザー軒」で描かれたBROTHER軒はもうなくなってるんですけど*2、それはこのお店が常に現役のレストランとして、人々の舌に合わせて時代によって変化して、仙台市民のお腹を満たし続けてきたからこそ、いまでも残っているということなんだろうな、と思った次第です。


 文学的な記憶をまとった場所であることは間違いないと思うんですけど、そういうことじゃなくて、五目やきそばもおいしかったし、他にも制覇したいメニューがいろいろあったので、機会があれば、またご飯を食べに行こうと思います。


 高田渡「ブラザー軒」




*1:この記事は、このblogで最も読まれている記事の一つで、「ブラザー軒+仙台」「ブラザー軒+高田渡」でたどり着く人がとても多いんですよね。

*2:死んだ親父が死んだ妹を連れて入ってきたりする雰囲気ではないんですよね。氷水とミルクセーキは今度行ったときチェックします。