はてな匿名ダイアリーにコメント



 昨日の日記を踏まえて、何日か続けて、最近、ホットエントリに入ったいくつかのはてな匿名ダイアリーのエントリについてコメントしてみたいと思う。


 高校時代の友達(だった人)の話はてな匿名ダイアリー


 頭もセンスもよく学生時代は輝いていたのに、就職活動をせず、結局は実家でネットゲームにはまっているだけの日々を送る友人に失望し、決別を宣言する、という内容。
 ぼくはブックマークコメントで、「非就職組だけど自分から連絡を取らなくなっていったよ。HPは閉鎖した。恥ずかしいからね。ニート時代は孤独でとても辛かった。甘えと言われても自分ではどうにもできないんだよ。長い目で見守ってあげてほしいと思う」と書いたのだけど、実際のところ、本当に自分ではどうにもできないのだ。


 なぜどうにもできないのかと言うと、本人の怠惰もあるだろうが、情報がないからというのも大きい。ぼくは学部四年生のころ、就職活動をする同級生の姿がなぜそんなことができるのか不思議で仕方がなかった。だって、そんなこと習ってないじゃない?
 いや、今回は入学時に就職ガイダンスを受けたから、エントリーシートへの登録から始まる就職活動の方法も知ったし、キャリア支援センターの存在も知っているのだけど、当時はまったく情報が入ってこなかった。
 友人が少なかったし、数少ない友人も就職活動をしないヤツばかりだったというのもあるのだけど(彼らはいまごろ何をしていることやら。まともに就職できるようなヤツらじゃないのだけど……)、おそらく、ぼくも含めて、こういうタイプには、親身になって相談に乗ってくれる人が必要で、社会で生きていくための心の持ちようから、自分はどんな仕事に適性があるのか、現実的な進路としてはどんな選択肢がありうるのか、自分に足りないところ(たとえばコミュニケーション能力)はどのように補えばいいのか、そして、就職活動の方法、履歴書の書き方から面接での受け答えまで、改めて逐一誰かに親身になって教えてもらえないと動けないのではないかと思う。
 引きこもりの状態のときというのは、いまのままではダメだと分かっていても、どうすればいいのか自分ではさっぱり分からないし、それは親にも分からないのだ。


 学生時代は天狗になっていたり、プライドが高かったりするから、相談に乗ってあげようとする人のアドバイスを「攻撃」と捉えて反発したり、「上から目線の説教」と取ったりするかもしれない。
 けれど、引きこもり生活を送っていると、「自分はこのままではダメだ」という強い焦燥感と不安感に駆られるから、おそらくつまらないプライドなど捨てて、自分は変わりたいと思うはずだし、おおいに「説教」をしてほしい、強い口調で方向性を示唆してほしいと思うようになるはずだ。
 だから、このエントリを読んだときは、エントリ主には、時を見計らってアドバイスしてほしいな、と思った。


 働くのはもちろんとてもつらいけれど、「自分はこのままではダメになる」という焦燥感に駆られながら、ネットやアニメ、ゲームで遊んでいるのも、ひどくつらいものなのだ、ということを想像してほしい。
 「甘え」の結果としてたどり着くのは、強烈な焦燥感と不安感の中で、現実を忘れようと必死の思いで遊びに逃避するという地獄なのだ。
 そうした「地獄」から抜け出せずに苦悶している人は、はたしてその状態でも「甘えている」と指弾されなければならない状態なのか? ぼくにはそうは思えない。
 心理状態から経済的な状況まで、現在の状況をすべて理解した上で、親身になって相談に乗ってくれる人と、適切なアドバイス、社会的支援が必要な状態なのだと思う。




 RAH Band「CLOUDS ACROSS THE MOON」(1985)