『怨念戦隊ルサンチマン』&「もってけ!セーラーふく」



 『怨念戦隊ルサンチマン』(京都大学アニメーション同好会、1997年)

 あれ、『怨念戦隊ルサンチマン』が見られるようになってますね。『ハルヒ』や『らき☆すた』で活躍した京都アニメーション山本寛(ゆたか、現在フリー)を中心に制作された伝説のフィルムなので、見ておいて損はないはず(続きはこちら『愛国戦隊大日本』赤井孝美監督、1982)のオタク版で、1997年に作られているのに、意図的に1982年のセンスが踏襲されています。いやまあ、死ぬほどくだらないわけだけど、『朝比奈ミクルの冒険』や『らき☆すた』EDの白石稔劇場の原点は、ここにあるわけですな。森見登美彦も描くところの「永遠の映研ノリ」というか。


 『らき☆すた』OP「もってけ!セーラーふく

 またまた、『らき☆すた』OPの話なんですけど、『武士の一分』(山田洋次監督、松竹、2006年)を見ていたら、なんだか全編庄内弁が使われている映画らしく、キムタクの妻壇れいが標準語のイントネーションなのに、語尾だけ「がんす」を付けるという方言アプローチで、映画を見ている間中、背中がむずがゆくて仕方がなかった。一時期山形に住んでいたことがあるのでなんとなくイントネーションを覚えているからなのだけど、『スウィングガール』の置賜弁は違和感がなかったんですけどね。『武士の一分』自体は、映画自体はシンプルなストーリーをじっくり見せるタイプの映画で面白かったですよ。
 で、「がんす」といえば、『らき☆すた』のOPが「さあ、始まるざますよ」(こなた)、「行くでがんす」(みゆき)、「ふんがー」(つかさ)、「まじめに始めなさいよ!」(かがみ)というネタから始まるのだけれど、これは実は『怪物くん』OPのパロディー。『怪物くん』OPの動画はこちらで、『らき☆すた』OPの映像に『怪物くん』のOP音源をかぶせたMADはこちら。『怪物くん』で「行くでがんす」と言ってるのは狼男なのだけど、ということは、狼男は庄内人だったってコト? で、ドラキュラは山の手の奥様w  まあ、『うる星やつら』のラムちゃんは宇宙人なのに仙台弁(だっちゃ♪)だったりするわけだけど、『怪物くん』の狼男は風貌も田舎者風だったし、あれって「上京した東北人」を揶揄する形象だったのかな、とちょっと複雑です。
 ちなみに、「もってけ!セーラーふく」の歌詞はこちら(もってけ!セーラーふく歌詞正式版@藤田妄想文庫)。すごい。こうして見てみると、モダニズム詩みたいな。作詞の畑亜貴blog「骨の視聴覚」)は、90年代半ばからインディーズのプログレバンド月比古やソロで活動中の女性アーティストで、『あずまんが大王』OP「空耳ケーキ」や『ハルヒ』OP「冒険でしょでしょ?』の歌詞も手がけているよう。本谷有希子も(10月26日付けの日記で、「もってけ!セーラーふく」の歌詞を「秀逸!」と誉めつつ、マスターしようとしてますな。)


 『涼宮ハルヒの憂鬱』や『らき☆すた』で一躍アニメ界の最先端となった京都アニメーションで、キーになる人物を挙げろと言われたら、とりあえずこの三人になるのではないか、という人物を挙げておきます。(出典はWikipedia
 石原立也は、1966年生まれで、『AIR』(2005)、『涼宮ハルヒの憂鬱』(2006)、『Kanon』(2006-2007)、『CLANNAD』(2007、放送中)で監督を務めている。京アニの中心的な人物。
 山本寛(やまもと・ゆたか)は、1974年生まれで、京都大学文学部卒。『涼宮ハルヒの憂鬱』(2006年)では、「シリーズ演出・脚本・絵コンテ・演出・劇中歌作詞・ED絵コンテ・演出」を務めたとある。『ハルヒ』の第一回としてオンエアされた「朝比奈ミクルの冒険」(作中作・涼宮ハルヒ監督の自主制作映画『朝比奈ミクルの冒険』というダメ映画を、京アニの優秀なスタッフが洗練された技術を駆使して全力で作り上げる、という「そんなことやってどうなるの?」的なフィルム)は彼が演出を手がけたもので、電波ソング恋のミクル伝説」の作詞も手がけている。『らき☆すた』(2007)では、当初監督を務めるも、4話終了時点で降板。京アニは、「「らき☆すた」監督の山本寛は、監督において、まだ、その域に達していないと弊社は判断し、交代いたしました」と声明を発表。その後、会社を辞めてフリーに。まあ、相当変なヤツなんだろうと想像されるし、京アニの個性の一端を担っていた人物なのではないかと思われる。退社だなんて、どちらも大丈夫?
 武本康弘は、『フルメタル・パニック? ふもっふ』(2003)、『フルメタル・パニック! The Second Raid』(2005)、『らき☆すた』(2007、四話以降)、それに、『ナースウィッチ小麦ちゃんマジカルて』(2002)の「KARTE.1 激突! 小麦VSひっきー・アキハバラ最大の戦い! 」でも監督を務めている。Wikiの山本の頁には、『ジャングルはいつもハレのちグゥ』(2001)の監督水島努は、演出でいた武本と山本がどんどん面白いものを作るので、「あいつらより面白いものを作らないと監督としての立場が危ない」と思ったとあり、なるほど、京アニのノリのよさは『ハレグゥ』で修行したのか、と納得。


 X JAPAN sing 「恋のミクル伝説

 音が大きいので注意。うますぎるMAD。おそらくYOU TUBEで作品を発表していた職人bakananさん(現在は登録を抹消)の仕事。無駄にカッコいい。「TOBで株を買い占め」なんて歌詞で感動するのはなぜだろう?