読書会メモ:自伝文学



自伝契約 (叢書 記号学的実践)

自伝契約 (叢書 記号学的実践)

 フィリップ・ルジュンヌ『自伝契約』(1975)は、自伝と隣接諸ジャンル(自伝体小説など)を比較検討した末に、差異を「作者と話者が異なること」に結論づけているとのこと。


フランスの自伝―自伝文学の主題と構造 (叢書・ウニベルシタス)

フランスの自伝―自伝文学の主題と構造 (叢書・ウニベルシタス)



アドルフ (岩波文庫)

アドルフ (岩波文庫)

 『自伝契約』で分析の対象となっている小説で、一般には心理小説の傑作として知られる。作者バンジャマン・コンスタンの自伝的小説とのこと。内容はこちらで。




他者の自伝 ――ポストコロニアル文学を読む

他者の自伝 ――ポストコロニアル文学を読む



泥棒日記 (新潮文庫)

泥棒日記 (新潮文庫)



人間失格、グッド・バイ 他一篇 (岩波文庫)

人間失格、グッド・バイ 他一篇 (岩波文庫)



仮面の告白 (新潮文庫)

仮面の告白 (新潮文庫)

 では、「人間失格」や「仮面の告白」はどうなってくるのでしょうか。事実と虚構が織り交ぜられた「魂の自叙伝」「精神の自伝」といったものですね。自伝と言えるのか、小説のジャンルとしてどういったものになっているのか、時代背景の中でどうとらえられるのか、といったことが問題になってくるでしょう。